トリミングの値段ってどうやって決めてるの?

私は10年近く自営で働いていますが、最近になってやっとビジネスというものを勉強し始めました

なので9月からの値上げについては結構なチャレンジだったわけですが、このお知らせをしたらきっと「高くなって残念」というお声がでるだろうなと、覚悟をしていました

が、実際今のところそういった内容の問い合わせもなくホッとしているところです

これも日々お客様が私やお店のことを気にかけてくれたり、理解してくれている証拠何だなぁと嬉しく思っています

そこで今日はお客様側が疑問に思うだろう「トリミングの料金の決め方」の謎についてお話しようと思います

トリマーだけでなく、イラストレーターさんやデザイナーさんなど、全クリエイターさんや職人さんの話とも共通してくるものだと思うので、サービスを提供する側もされる側も知っておいてほしい内容となっております

高すぎる、という内容のクレームについて

先日も「5万円の商品を作るよ」という話をしたばかりですが、そもそも値段ってどういう風につけるのでしょうか?

例えば物を作るとして材料費がかかるのでこのくらいというのはわかりやすいと思いますが、

トリミングに関していうとテーブルやはさみ、バリカンなどの道具がかかるのを別問題として捉えるとほとんど材料費というようなものはなく、技術代や技能代といったところになってくると思います

そうなるとトイプードルが1頭1万円します、って提示された場合、自分の感覚や他店さんとの比較になると思うので、「高い」というクレームが発生してしまうのかなぁと想像がつきます

(だって材料費がかかるわけじゃないのになんでそんな値段になるの?といった感じです)

こういう考えの方にわかってもらうために私はいつもピカソの名言を紹介しています

有名なピカソが言った全クリエイターに共通する苦悩

ある日、ピカソがマーケットを歩いていると、手に一枚の紙を持った見知らぬ女性がこう話しかけてきたそうです。

「ピカソさん、私あなたの大ファンなんです。この紙に一つ絵を描いてくれませんか?」

ピカソは彼女に微笑み、たった30秒ほどで小さいながらも美しい絵を描きました。そして、彼女へと手渡しこう続けます。

「この絵の価格は、100万ドルです」

(現在の日本円で1億4千万ほど)

女性は驚きました。

「ピカソさん、だってこの絵を描くのにたったの『30秒』しかかかっていないのですよ?」

ピカソは笑います。

「30年と30秒ですよ」

私がさっき言っていた技術代というところには、それを勉強するため、鍛錬するためにかかったその人の人生の時間とお金代が入っているということです

私たちトリマーは基本2年間、年間100万円ほどの授業料を払ってトリマーになっています

私の場合は4年半学校に通いましたが、ほぼ休みはなかったですし払った金額としては授業料のほかにも外部へのセミナーやそへ行くための交通費、犬たちの世話代、医療費、そして自分の道具代などなど…

なんか書いてて怖くなってきましたが、全部合計すると本当にいくらかかったんだろう…という果てしない時間とお金の量です

それを1時間いくらです、と提示するためにはやはり「自分の技術にはこのくらいの価値がついてもいいだろう!」という自己評価的なものと外からの信頼度やファン度というのが関係してくると思います

私は自己評価が低かったようで以前はお客様から「安すぎる!」というお声を結構いただくほどで(笑)

(本当にありがたいことです!)

なので、今回は外からの信頼度やファン度があがったな、というタイミングのため値上げを実行しようと考えた、というわけです

過去値切ってきた人たちへの対応

クリエイターさんや職人さんってそうやって自分を高めている人が多いので、プロの人にお金を払って任せるってやっぱり正解なんだと思います

なので過去値切ってきた方に関しては「うちではそういうサービスを提供できないんです、ごめんなさい」の一点張りで終わらせてしまっていました

値段が高い!というクレームにはきっとこのピカソのファンでありながら、彼がいかに絵に時間やお金を使ったかを想像できない彼女のような考えの方が多いのかなぁという印象で

それならそれで価格の安いところへうつるだけで何も問題はないのですが、安い価格でその技術がほしい!と言われるとそれはなかなか難しいよねってところです

何もお金をたくさんとってやろうと思っているのではないので、その辺はご理解いただけると助かるところです

もし値切られる…といった悩みをお持ちの方は、一度そういう観点の元、ピカソに習ってみるのはいかがでしょうか?

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