あまり周りに言っていませんが、実はトリマーライセンスA級を持っている私です
ライセンスを持っていることをそんなに重要視していなかったんですけど、「それってけっこうすごくない?」って周りの方に言われる機会が多くて(笑)
資格を多く持っていた方が就職に有利、高い給料をもらえると思いがちですが、いやいやお客様に必要とされなかったらオーバースペック(行き過ぎた価値)でいらないんだよ、という話をしたいと思います
お客様が求めているラインってどのくらい?
A級ってどんなもんかっていうと、JKC(ジャパンケネルクラブ)という日本の犬を管理している団体がだしている公式のライセンスとなります
A・B・CとあってA級が1番取るのが大変なやつなので、それなりに頑張って資格をとったわけですが、何をそんなに勉強するんだ!?といったところですよね
簡単に言うとドッグショーにでるためのカットを学ぶんですが、これが本当に特殊なスタイルなんです
(プードルの足ポンポンとか体ボーンみたいなスタイル)
(伝わってくれ)
学生の時の相棒ミーシャ
とことん犬がどうやってきれいに見えるのか?を考えているので、スタイリングから歩き方から徹底的にやるんです
(じゃないとコンテストで勝てないので)
ペットカットとはまた違った空気感でそれが好きだったわけなんですが、本当にたくさんのことを学ばせていただきました
でも、このことをいざ現場のトリミングサロンで使うことがあるのか?といったらたまぁ~にぐらいです
技術や知識をたくさん持っていたとしてもお客様がそれを望んでいなかったら完璧にオーバースペック(必要ない)だなと感じながら
ただ、そこの技術、知識がほしいよ~!っていうレアなお客様の対応はできるので、そこは私のお受けする注文の幅が広いということだと思い、やってきて全く無駄とも思ってません
(テディベアカットにしてほしい人にはいらない技術ですが、体ボーン足ポンポンスタイルをやってみたい人にはやってあげられる)
トリマー(職人)の修行や勉強って死ぬまで終わらない?
先日アメリカトリマーさんのYouTubeを見て、サロン経営されているんだけどカットコンテストで勝ちたくて勉強をめっちゃ頑張っているという話をされている内容を拝見しました
コンテストで勝ったら自分の技術が明確にお客様にお伝え出来て仕事をとりやすくなる、というメリットもあるが、単純にうまくなりたいという気持ちからとおっしゃっていました
先ほど私の力量はすでにオーバースペックだと言いましたが、自分の欲求としてはこの方と同じくトリマーとして実はまだまだいろんなことを学びたいんです
お客様が望んでないのに(笑)
ここが職人の性というか業というか(笑)
きっとこの勉強をしても大きなお金にならないはずなのに、高い勉強代を払って習いにいくんです
いつまでたってもゴールがなくて、てっぺんが見えない、それが職人なんだと思ってます
あの有名な浮世絵師、葛飾北斎は90歳で亡くなる際にこんな言葉を残しています
「あと五年生きられたら本当の絵描きになれたのに…」
90歳まで絵のクオリティを追及してもなお、本物の絵師じゃないと本人は思っていたなんて驚きですよね
北斎先生を見ていると私も死に際にはそんなこと言っているかもしれないです(笑)